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執筆者の写真Masaya Sakamoto

「ギターを手で歪ませる真意」


「あの人は手で歪ませてるからね〜」 いい音のギタリストを褒める時に、こんな言葉をちょいちょいと耳にしたことがあります。 「アンプやエフェクターのセッティングはあまり歪ませず、迫力ある力強い音を出す時はピッキングを強くして歪ませる」という事かなと思ってたんですが、ここ数年で解釈が変わってきました。 実は逆なんじゃね?と。 ギターって楽器は弦をはじいて音を出すものなので弦の響きがとっても大切です。 ここで波形で比較。

力強く弾いた時

力任せにピッキングすると、波形はアタックの瞬間は大きいですがすぐに小さくなっていきます。

これは一人で弾いてると気持ちいいかもですが、バンドサウンドに混ざるとアタックだけしか聴こえない所謂「痛い」、「細い」音になります。

で、聴こえないので、音でっかくするとアタックの痛い部分が更に強調され、バンドメンバーに「あいつの音ギンギンうるさくね?」なんて言われる結果になるのですw

対して弦をしっかり振動させてソフトにピッキングした時

アタック時の音量は強く弾いた時より小さいんですが、アタックから音を止めるまでの音量の変化がなだらかです。

つまり「アタックだけうるさい音」ではないので、これで聴こえなかったらアンプのボリュームをあげればいいんです。

そしたら痛くないし小さいところもしっかり持ち上げられて「あら、いい音ね」という事になるんですね。

ギターは我々ギタリストにとって大事な大事な感情表現装置です。 気持ちのままを音に伝えたい!!!

が、 昔の僕はその気持ちが先行しすぎて、本人とギターの温度が合ってなかったんだなーと。 例えると 自分は30センチくらいの距離感で喋ってるつもりなんだけど、相手からすると、ずっと大声で喚き散らされる状態というか。 「いや、ちょっとお前しんどいわ〜」な状態ですねw そこで僕が取った解決策は、 弦の最高のテンション(気持ち的な方の)を知って、それを自分の最高のテンションと自覚し、そこから普段のテンションを探して、弦と自分の「普通の話し声」をリンクさせるということでした。 ※この「弦の最高のテンション」は、弦が切れるポイントではなくて、あくまで自然に弦が振動して大きい音が出る限界点です。 そうすると自然に普段のピッキングが従来より優しくなり(≠ピッキングのスピードが遅くなる)、強い音を出したい時にも余裕が出て表現力がアップしました。 そんなところから、「強く弾いて音を歪ませる」より、「出したい歪みはアンプやエフェクターでしっかり出しつつ、ピッキングのタッチやボリュームのつまみを使ったりして弱い音をしっかりコントロールする」方が重要なんではないかと思うようになりました。(もちろん歪ませすぎはダメです)

破壊的な音のイメージのギタリストでも、そういう視点で手元をよく観察してみると自分が思ってたよりかなり優しかったりするんですよね。

とは言いつつ、曲によっては切れるくらいにガツガツ弾いた方がいいこともあるし、結局はTPOに合わせて、って感じなのかもですがw 大事なのは、その時必要な音をチョイスできる耳と技術ですねー。 みなさんは 自分とギターの感情のチューニング、どうされてますか?


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